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「我が家は、揉めるほど遺産が多くないので大丈夫」「ドラマみたいに、遺産が何億円もあるようなご家庭だけでしょ?」このようにおっしゃる方が多くいます。
現実はどうでしょう?裁判所データ(令和3年司法統計年報)によると、遺産相続額が1億を超える争いの件数は、相続訴訟の内7.6%しかありません。
一方で、遺産相続額が1千万円以下の訴訟件数は全体の34.0%(なんと1/3を超えます!)、5千万円以下に広げると79.3%(もはや、ほとんどと言っていい割合)に上ります。
残されたご家族に争いの火種を残さないために、遺言を作成することをお勧めします。手間をかけた分、平穏な未来が約束されると思います。
遺言書の作成自体に費用が掛からず、手軽に作成することができます。
ただし、法律上の要件を満たさない場合は、法律上無効となる恐れがあるので注意しましょう。
氏名(戸籍記載の通りに)、捺印(実印がベター)、作成年月日を記載、訂正は印を用いてルール通りに、 本人が財産目録以外の全文を自筆で書くこと、以上が要件です。
表面に遺言書と記載した封筒に封入し、のり付け割り印を施し、裏面に作成年月日と遺言者名を記入します。
加えて、「遺言者の死後、開封せずに家庭裁判所に提出して、検認を受けてること。」と記載しておくと良いでしょう。
自筆遺言は法務局で保管してもらうことで紛失や改ざんの防止を図ることができます。
費用は保管手数料3,900円が必要ですが、負担が少なく利用できます。
法務局が遺言者の死亡を確認すると遺言書を法務局で預かっていることを遺族に通知する制度、家庭裁判所による検認不要などのメリットがあります。
一方、形式が定められていること、遺言の内容までは確認してくれないなどのデメリットもあります。
公証役場にて公証人に作成してもらいます。
公証人は、裁判官や検事を経験した法律のプロ、準国家公務員で、高い信用性をもっています。
したがって、公正証書遺言は家庭裁判所の検認不要、遺族間で裁判になった場合も遺言の内容を覆すことは困難です。
また、手が不自由で書けない場合でも、事前の申出により公証人による著名捺印や、外出困難な場合でも公証人らが病院や自宅に出張することで対応できます。
デメリットは、費用と公証役場という馴染みのない所に問い合わせるという煩わしさでしょうか。
公証人費用は、相続財産の額により決まりますが、例えば相続財産5,000万円の場合で公証人費用は29,000円です。
実際どうなの?気になるところと思いますが、高い信用力により遺族間の揉め事を回避できる可能性が高いため、遺言をご相談される方の多くは公正証書遺言を選択されます。
ファミリー企業の経営者は、相続に伴って、法人の場合は株式の異動、個人事業主の場合は事業に係る資産の異動が課題となります。
弊所代表が理事長を務める(一社)事業承継サポート機構で、弁護士、税理士など専門家チームで解決のご支援が可能です。
もちろん、ご相談無料です。
会社の状況を熟知し分析するために、通常は複数回訪問し、オーナー様と質疑応答をいたします。
方向性が定まり委託いただける場合は契約を締結し、作業に着手する段取りとなります。
以下のサイトをご参照ください。
一般社団法人 事業承継サポート機構のwebサイトへ
遺言を作ってみようかなぁと思いながら、なかなか手をつけられずにいる方へ。
撤回、という単語は日常的ではないかもしれません。平易な言い方をすれば、遺言はいつでもやり直すことができます。
したがって、今のお気持ちを率直に書き下ろしてみるところから始めてみるのが良いかと思います。
写真は、「白い巨塔」「華麗なる一族」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」などテレビドラマ化された長編小説でも著名な山崎豊子先生の「女系家族」という小説です。
壮絶な相続ならぬ『争続』が描かれています。
まず、読み物として面白い。更に、至る所で法律が駆使された物語で、遺言の作成にご関心のある方には勉強にもなると思います。
これを読むところから始めるのも、良いかもしれません。読んだ後、さて作ってみるか、という気持ちになると思います。